• Dr. Ritsuko U Komaki Cox, MD, FACR, FASTRO

    Dr. Ritsuko U Komaki Cox, MD, FACR, FASTRO

    • Emeritus Professor, Radiation Oncology at MDACC
    • Professor, Baylor College of Medicine
    • Visiting Professor, Nagoya City University
    • Visiting Professor, Hiroshima University
    • Executive Adviser, Sapporo High Functioning Radiotherapy Center (SAFRA)

    Message

    I have been living in the United States since 1970 and received American Board of Radiology and Therapeutic Specialty after I was trained as a Radiation Oncologist at the Medical College of Wisconsin. I worked as a Professor of Radiation Oncology Department at University Texas (UT) MD Anderson Cancer Center (MDACC) Radiation between 1988 and 2019. It was privilege that I had chances to have accepted many Japanese doctors as research fellows in UT MDACC. It’s my pleasure to see them play an active part in academic institutions as well as conferences around the world.

    Now, I am very honored to be given the opportunity to act as a special advisor to the activities of Alliance for Cancer Treatment (ACT).

    In the United States, Radiation Oncology has been more widely accepted as a part of multidisciplenary cancer treatment by society than in Japan. For examples, cancer patients request Radiation Oncologists’ opinion for their multidisciplenary management. Their insurance comapanies request Radiation Oncologists’ consults in addition to the surgeons’ and Medical Oncologists’ consults. If there were no consults to Radiation Oncologists, patients might sue the hospital or surgeons and insurance would not be paid without Radiation Oncologists’ consults.

    Current radiation treatments can reduce the normal tissue complications by irradiating the tumor with more targeted beams of radiation. Reduction of normal tissue complication has been achieved by not only Radiation Oncologists, medical physicists, technicians, and nurses that support high-precision irradiation management, but also by various medical professionals such as diagnostic radiologists, interventional radiologists, pulmonologists, infectious disease specialists, hematologists, surgeons, dietitians etc. In the United States, many cancer survivors volunteer at hospitals. The stories of these people are also supporting new cancer patients.

    It is a pity to see that the utilization of radiation therapy in Japan is still low. ACT is a cross-company cooperation that encourages collaboration with medical professionals, and helps others and patients know about the benefits of radiation treatment. We all need to realize that improvement of survival with better quality of life among cancer patients needs to be accomplished beyond anybody’s ego. Cancer patients need to be treated by multidisciplinary approach. They need to be treated just like your own family members. As a physician, I would like to support the activities of ACT so that I can use my experience in the United States for the future of cancer treatment in Japan.

    医学博士小牧 律子

    Ritsuko U Komaki Cox, MD, FACR, FASTRO

    医学博士小牧 律子

    Ritsuko U Komaki Cox, MD, FACR, FASTRO

    • MD Andersonがんセンター 放射線腫瘍学 終身教授
    • ベイラー医学大学 教授
    • 名古屋市立大学 放射線科 客員教授
    • 広島大学 放射線科 客員教授
    • 社会医療法人 孝仁会 北海道大野記念病院 札幌高機能放射線治療センター エグゼクティブアドバイザー

    Message/ごあいさつ

    私は、1970年より米国に住み、ウィスコンシン医科大学で放射線腫瘍医としての研修を受けた後、米国放射線医学・治療専門委員会より専門医の資格を授与されました。1988~2019年まで、テキサス大学(UT)のMDアンダーソンがんセンター(MDACC)放射線腫瘍学科の教授を務めました。UTMDACCでは多くの日本人医師を研究員として受け入れる機会があったことは大変光栄なことでした。彼らが世界中の学術機関や会議で活躍する様子を拝見し、嬉しく思っております。
    そして今、一般社団法人がん医療の今を共有する会(Alliance for Cancer Treatment: ACT)の活動に特別顧問として参加する機会を与えられたことを非常に名誉に思います。

    米国では、集学的がん治療の一部として放射線腫瘍学は日本よりも広く社会に受け入れられています。例えば、がん患者は自身の集学的疾患管理のために放射線腫瘍医の意見を求めます。保険会社は、外科医や腫瘍内科医の見解に加えて放射線腫瘍医の診断も要求します。放射線腫瘍医への受診がなければ、患者は病院または外科医を訴えますし、保険金は放射線腫瘍医の診断なしには支払われません。

    現在の放射線治療は、腫瘍に狙いを定めた放射線ビームで照射することにより、正常組織の合併症を減らすことができます。正常組織の合併症の抑制は、高精度放射線の管理をサポートする放射線腫瘍医、医学物理士、技師、看護師だけでなく、画像診断医、介入放射線技師、呼吸器科医、感染症専門医、血液専門医、外科医、栄養士など、多岐にわたる医療専門職によっても実現されるものです。米国の病院では、多くのがん生存者(がんサバイバー)が病院でのボランティア活動に参加しています。 こうした人々の体験談もまた、新しいがん患者を力づけています。
    日本での放射線治療の利用がまだ低いことはとても残念なことです。当会ACTは、医療専門職とのコラボレーションを促進し、医師や患者が放射線治療の利点について知ることを助ける企業間協力の会です。がん患者の生活の質の向上を伴った生存率の改善は、あらゆる人の利己主義を超越したところで達成されると、私たちは皆認識する必要があります。がん患者さんは集学的アプローチによって治療されるべきです。患者さんは皆さんの家族と同様に治療される必要があります。医師として、私はアメリカでの経験を日本のがん治療の未来に活かせるよう、ACTの活動を応援していきたいと思います。

  • 医学博士土器屋 卓志

    Takushi Dokiya, MD

    医学博士土器屋 卓志

    Takushi Dokiya, MD

    • 杏雲堂病院 放射線科 顧問 / Advisor, Radiology Department, Kyoundo Hospital

    ご略歴

    1968年 鹿児島大学医学部 卒業
    1969年 慶応義塾大学医学部 放射線科学教室 入局
    1983年 国立東京第二病院(現 国立病院機構東京医療センター)放射線科 医長
    2001年 埼玉医科大学 放射線腫瘍科 教授
    2007年 埼玉医科大学国際医療センター 放射線腫瘍科 教授
    2011年 佐々木研究所附属 杏雲堂病院 放射線科 顧問

    学会・役職

    • 日本放射線腫瘍学会      (元)会長・名誉会員・特別功労会員
    • 日本医学放射線学会      名誉会員
    • 日本癌治療学会        功労会員
    • 内科系学会社会保険連合    顧問
    • 外科系学会社会保険委員会連合 顧問

    メッセージ

    近年のがん治療の明るい面を見ると新規の抗がん剤等の開発による薬剤療法の進歩、早期診断に貢献する放射線画像診断機器・内視鏡装置の進歩、高精度放射線治療の普及、手術の進展、そしてがん療法に関する情報伝達の充実等があげられます。
    一方懸念される面を見ると増大するがん患者数に対応が追い付かないがん情報伝達の格差、施設間の診断・治療の格差が問題とされています。
    残念ながらいまだ世の中に最新の情報が広く周知されているとは言えません。
    ことに、がんの三大療法の一つである放射線治療の最新の情報・認知度の充実は大きな課題であると思います。
    私は放射線腫瘍医として長年放射線治療に携わってきましたが、臨床の現場では、もっと早く患者さんを放射線治療科に紹介してくれれば現在の最新治療装置でより良い対応ができたのに、と残念に思うことが多々ありました。
    放射線治療の認知度をアップするためには、患者さん向けの周知も必要ですが、外科系・内科系をはじめとするがん患者を最初に診察する先生方に最新の放射線治療を理解して頂くことが必要です。しかしながら放射線治療に携わる専門医・専門技師・医学物理士などのスタッフの不足は大きな課題であり、臨床現場からの情報発信のマンパワー不足は切実なところであります。
    このような状況の中、日本放射線腫瘍学会(JASTRO)の賛助会員企業数社が中心となって、2019年7月、「がん医療の今を共有する会」が発足しました。当団体の参加企業は長らくJASTROの活動にかかわり、放射線治療の発展に尽力してきております。
    当法人は、まずは医療従事者を中心に放射線治療を広く知ってもらうこと、そして患者さんに提示する治療法の一つにもっと積極的に取り入れてもらいたいという思いを共有し、活動する会であります。
    もとより放射線治療はハード・ソフト面とも高額医療機器・装置開発の企業努力による進歩とともにあります。薬物療法が薬剤企業との互助関係にあることと同様な構造であります。
    医師ががん患者を前にした時、より良い治療を提供するために、まず自分の専門領域での治療を一義的に考え、自分の経験値を上げたいという気持ちは、医師として大変理解できることです。
    一方で、放射線治療スタッフとして一番危惧し残念に思うのは、最新の放射線治療の技術レベルとその効果の情報が十分に伝わらず放射線治療の選択が遅れることであります。
    特に知っていただきたいことは、高精度放射線治療ではがん病巣に対する安全で集中的な照射技術の格段の進歩で治療成績とともに患者の身体的負担(副作用)が大幅に軽減したことがあります。そのために緩和的治療および高齢者のがん治療においても、安全に実施できるがん治療として高い評価を受けてきております。

    診療科を越えた連携を通じ、患者さんに最善の治療を提供するための情報発信の重要性を臨床医と関係企業が連携して認識し、実践することが私どもの務めだと強く思います。医療スタッフと企業スタッフはともに、がん患者さんに最新・最適な治療を提供したいという熱い想いを共有しております。
    当団体の活動が、我が国の放射線治療のさらなる普及と、より多くの他部門の医療スタッフの皆さんに正しく認知してもらえるような環境を作るきっかけになるものと信じております。